工事台帳をつけようと思ったとき、ふと、こんな感覚になることがあります。
「台帳って、案件管理のことだっけ?」
「原価の話も、ここに書くんだっけ?」
「そもそも、何を残したいんだろう?」
やろうとしているのに、考えれば考えるほど手が止まってしまう。
この感覚は、工事台帳が苦手だから起きているわけではありません。
多くの場合、いくつかの役割が、頭の中で混ざってしまっているだけです。
それぞれは違うものなのに、現場では一緒に扱われがち
本来、
- 工事台帳
- 案件管理
- 原価・利益の把握
これらは、それぞれ役割が少しずつ違います。
でも現場では、
「とりあえず工事ごとの情報をまとめるもの」
「後で数字を確認するためのもの」
そんなふうに一つの箱として扱われがちです。
結果として、
- 何を書けばいいのか分からない
- どこまでやれば十分なのか決めきれない
- 途中で止まったままになる
という状態が起きやすくなります。
「全部ちゃんとやろう」とした瞬間に、崩れやすい
よくあるのが、工事が終わった後にまとめてやろうとするケースです。
見積書を見返して、請求金額を確認して、原価も計算して、ついでに台帳も整えておこう。
頭の中では、「一度で全部きれいにする」イメージができています。
でも実際には、その“全部”が重なった瞬間に、どこから手をつければいいのか分からなくなってしまいます。
その結果、「今日は時間がないから、また今度」となり、結局何も残らないまま次の工事に入っていきます。
見ている数字はあるのに、意味がつながらない
この状態が続くと、不思議なことが起きます。
数字自体は、どこかにはあります。
- 見積の金額
- 請求した金額
- 支払いの情報
でもそれが、一つの工事としてつながっていない。
だから、「この工事、結局どうだったんだっけ?」と聞かれても、すぐには答えられない。
原価が高かったのか、段取りが悪かったのか、単価の問題だったのか。
振り返ろうとした時に、判断材料が残っていない状態になります。
この状態が続いた先で、工事が終わっても数字として何も残らないことへの不安については、別の記事で整理しています。
工事台帳が止まる人ほど、真面目なことが多い
少し意外かもしれませんが、工事台帳が続かない人ほど、ちゃんとやろうとしています。
中途半端に残すくらいなら、後でまとめて整えたい。
そう思うからこそ、今は書かない、という選択になる。
でもその結果、「後でやるための情報」自体がどこにも残らなくなってしまいます。
これは性格の問題ではなく、役割が整理されないまま一つにまとめようとしている状態です。
まず分けて考えないと、前に進みにくい
ここまでの話は、「どうやって書くか」「何を使うか」の話ではありません。
まず必要なのは、今、何が混ざっているのかを自分で把握することです。
- 台帳として残したい情報
- 案件として管理したい情報
- 原価として振り返りたい情報
これらが同時に出てくると、一気に重くなります。
今つまずいているのは、能力不足でも、やる気不足でもありません。
ただ、一度に扱うものが多すぎるだけです。
この時点では、答えを出さなくていい
この記事では、工事台帳・案件管理・原価をどう分けるか、どう仕組みにするか、という話まではしません。
今は、「混ざっている状態だった」と気づければ十分です。
次の記事では、この状態が続いた先で多くの人が感じるもう一段深い不安について整理します。
ここまで来ていれば、次に何を考えるかは、自然と見えてくるはずです。
